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人物・本・言葉

私のお気に入りの1冊 「Good Luck」(ポプラ社)

60歳も過ぎてから再会した幼なじみの二人が語り合うそれぞれの人生。
華やかな人生を過ごしたものの今では凋落してしまったジム。そのジムにマックスが「運と幸運はまったく別なもの」で、「幸運は誰でも自分の手で作り出すことができる」という・・

マックスが語るクローバーの物語はとても示唆に富んでいる。文中のいくつかを引用すると・・
「幸運が訪れないからには、訪れないだけの理由がある。幸運をつかむためには、自ら下ごしらえをする必要がある」
「偶然しか信じぬ者は、下ごしらえをする者を笑う。下ごしらえをする者は、なにも気にしなくていい」
「幸運をエサにするような人は信じないこと」
「できることをすべてやったら、焦らず、あきらめぬこと」
「幸運を作るというのは、つまり、条件を自ら作ることである」
「幸運のストーリーは・・・、絶対に偶然には訪れない」・・

折り目折り目にこの本を読むことにしています。
人生の目標、ゴールを明確に意識して、そのためにいつまでに何をしていけばいいのかを、どんどんブレイクダウンしていきます。そして、今月、今週、そして今日なにを、どんな下ごしらえをすればいいかイメージしていくことにしています。



海外での仕事を辞めて転職のため日本へ帰国するときにあるお世話になった方が聞かせてくれた話です。キーワードは「スケッチブック」。

今後の自分の進むべき道を選択するときに、まずは自分の棚卸しをします。
今の自分にはどんなスキルや得意なことがあって、どんなことができそうなのか、どんなことをしたいのか。
大きな視点で見れば、これからの人生をどう生きていくかの絵を描くわけです。

普段、頭の中だけで思っているようなことも、スケッチブックのような大きな紙にどんどん書いていくことによって、目で見て整理できていきますし、時間をあけて読み返したときに軌道修正や原点回帰のきっかけにもなります。

私もその勧めにしたがって、スケッチブックにどんどん書いていきました。その時点から3年ほど経っていますが今でもよく読み返します。そして、ほんの3年前ですが、当時の自分の浅慮を反省したりしますし、人生のゴール、夢を再確認する大切さを感じたりします。



好きな作家

筆頭はこの方「宮部みゆき」
日本が誇るミステリーの巨匠といってもいいのではないでしょうか。
最近では、ブレイブストーリーが映画にもなりましたね。

私がこの方を好きな理由の一番は、頭がいい!ことなのです。
どのミステリーを読んでいてもそう感じるのですが、構成の巧みさには驚かされます。
そう、シャープなのです。
読んだ後に、思わず「頭いいなぁ」と毎度うならされます。

ついつい引き込まれ、読み出すと止まらなくなるのも特徴です。

まさに宮部ワールドなのです・・

私の印象に残った作品は
「クロスファイア」「レベル7」「火車」「模倣犯」「理由」「R.P.G.」といったところです。
なぜか、時代物はあまり読んでいません。



「高杉良」

企業・経済小説の第一人者だと思います。
彼の小説は、事実をベースにしたいわゆるモデル小説が多いので、ものすごいリアリティが
感じられて、現実とオーバーラップさせてしまうこともしばしば。
もちろん、小説ですので脚色もありますし、事実そのままといわけではありません。

彼のすごいところは、膨大な時間を費やす下調べともいえる取材です。
関係者にくまなくインタビューし(たとえ小説上悪役であっても)、ゆかりの地を訪ね、丹念にコツコツ
調べ上げたものをベースに筆をとります。
それがゆえに、より一層現実感に磨きがかかるのでしょう。

事実は小説より奇なり、とはよく言ったもので、その「事実」の部分をかなりストレートに
表現しているので、読みながら憤ったり、喜んだり、嘆いたりと感情移入も激しくなります。

高杉良自身、経営者かくあるべき、企業経営かくあるべき、という信念があり、それが私には
まったく共感できるものなので、より「うまがあう」のかもしれません。

名作が多くお薦めをあげるのも難しいですが、映画化された作品もいくつかあります。
中でも印象深いのは、「銀行大統合」「生命燃ゆ」炎の経営者」「社長解任」などでしょうか。



「浅田次郎」

よそのブログの受け売りになりますが、浅田次郎の小説は男性が主人公のものが多いです。
しかも、その多くは、優柔不断であったり、頼りなげであったり、自分勝手であったりと
女性側からすると「とんでもない」男たちが、なぜか多いのです。
なので、女性からすると、その男たちは浅田次郎の筆によるものだからこそ許されるのであり、
現実にそんな男たちがいたら、絶対許せない・・んだそうで、至極もっともなお話ですね・・
それほどまでに、浅田次郎の筆力は、ダメ男たちにエネルギーを与えてくれるのです。


最後には、涙なしではおわれないそんな彼の小説がとても好きです。
「見知らぬ妻へ」ででてくる、みもしらぬ中国人女性と戸籍だけの結婚をするダメヤクザの話では、
その女性に次第に恋慕の情を抱く切ない想いが、心にぐっとのこっています。

他に、私が好きなのは、
「プリズンホテル夏・秋・冬・春」 「地下鉄に乗って」(現在、映画公開中)、 「月のしずく」 
などですが、特筆は 「王妃の館」 です。
これは、フランスのルイ王朝のころを回想するコメディタッチの泣かせる小説なのですが、
これを読んだ後には、パリへ行きたい衝動が沸々とたぎってきてどうしようもなかったものです。
これからパリへ行かれる方には、ぜひとも読んでもらいたい1冊です。



「塩野七生」(しおのななみ)

イタリアの歴史を語らせたら、この人の右に出る日本人はいないだろうというほどのお方です。
イタリア人のご主人をもち、イタリアのフォレンツェに住みながら、イタリアの歴史を
ものすごく深く掘り下げた執筆活動をされています。

この方のすごいところは
1.膨大な資料をとても細かなところまで徹底的に調べぬいた上で書く追求心
2.事実の羅列だけではなく、女性らしい独自の見解を織り交ぜながらの歴史観
3.軽妙で理路整然とした文章力
 (理由を述べるところでは、必ず第一に〜、第二に〜と箇条書きのようなスタイル)
に集約されると思います。

そんな彼女の集大成とでも言えるのが、「ローマ人の物語」でしょう。
1992年から毎年1冊のペースで古代ローマの興亡を書き綴っています。2006年12月に
完結予定という壮大なもの。文庫版も少し遅れて続々出版されています。

私が塩野七生の作品に出会ったのは、「コンスタンティノープルの陥落」だったと思います。
それまで世界史にもそれほど思い入れがあったわけではないですが、塩野作品を読み進めて
行くうちに、イタリア(古代ローマ)の大ファンとなりました。

次回、イタリア旅行に行く機会があれば、是非いくつか読み返してから行きたいですね。
楽しみ方が何倍にも広がりそうです。



「幸田真音」(こうだまいん)

初めてこの方の小説に出会ったのは、2004年というつい最近のことで、その時の作品が「日本国債」。
題名だけ見るとお堅い経済小説のようですが、中身はずいぶんと違い、経済時事問題とミステリー性を
混ぜた新しいジャンルを開拓している方だなぁという印象でした。
私の好きな高杉良のジャンルにも通じるものがあります。

幸田さんは、自身がかつて銀行員や証券とレーダーとして第一線で活躍されていたので、
まるでその場にいるかのようなリアルな描写には説得力があります。
金融取引という目に見えない魔物の正体を、わかりやすく伝えてくれます。

金融の現場で働く方には、他人事とは思えないものを感じるでしょうし、素人の私にも、現在
日本や世界で問題となっていることをしっかり認識させてくれます。そして、この先どんなことが
起こりうるのかを示唆してくれいます。

作品には、「日本国債」の他、「小説ヘッジファンド」「傷−邦銀崩壊」「偽造証券」「eの悲劇」などがあり、
いずれも時代を捉えたテーマ設定で、経済の勉強がてら楽しんで読むことが出来ます。